メタバースでの七夕イベント。短冊には、患者の願いが書き込まれている=長谷井さん提供

 より多くの小児や若い世代のがん患者に、メタバース(仮想空間)で交流してもらおうと、岡山大学病院の医師で同大特任教授の長谷井嬢さん(44)が、クラウドファンディング(CF)で寄付を募っている。治療のため病棟の外に出ることができなかったり、頭髪が抜け落ちるなど外見が変わったりしても、アバターなら気兼ねなくメタバースで交流できる。不安や孤独を解消するための「もう一つの病棟」に参加できる患者を増やすのが、目標だ。

星に願いを 七夕も聖夜も

 年間約100万人が新たにがんと診断されるが、子どもや若い世代のがん患者は人数が少なく、入院中に同じ病院で、同じような境遇の子どもや若者が出会うことはきわめてまれという。このため患者は友達との交流や社会とのつながりを失いやすかったり、「どうして自分だけが」と孤独感を強めたりするなど、精神面でのケアが課題となっているという。

 こうしたなか、岡山大学病院…

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