Smiley face
写真・図版
およそ2年半ぶりに「再会」したきかんしゃトーマス号(左)とパーシー=2025年4月24日、大井川鉄道家山駅、青山祥子撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 大井川鉄道の蒸気機関車(SL)「きかんしゃトーマス号」の今季の運行が4月26日に始まった。週末を中心に1日最大3往復を予定しており、過去最多の運行本数になる見込みだ。今年は原作絵本が出版されて80年。アニメの世界観を再現させる演出を盛り込んだといい、鳥塚亮社長は「楽しんでもらえる仕掛けを用意した。ちびっこたちの夢を乗せて走らせたい」と語る。

 今季は運行開始に合わせて、千頭駅に展示している仲間の機関車のうち、「パーシー」を家山駅に移動。4月24日、「親友との2年半ぶりの再会」を演出した。トーマス号の運転日は、新金谷駅と千頭駅で仲間のキャラクターと記念撮影ができる「トーマスフェア」を開いている。新金谷駅では、トーマス号の転車台での転向作業も見学できる。井川線千頭―奥泉間ではディーゼル機関車「きかんしゃトビー号」を計97日間運行する。

 大鉄はコロナ禍に加え、台風被害により一部区間が不通となり、2019年度から5期連続の赤字となっている。行政に対し、不通区間の復旧費約21億円のうち大鉄負担分の支援を求めてきた。県と島田市、川根本町が補助や貸し付けで7・8億円を追加支援することで3月に合意。29年春の全線開通をめざす。

 トーマス号の昨年の乗車人員は約7万8千人。鳥塚社長は「トーマス号は収益的な貢献が大きい」とし、「今年は10万人くらいいきたい。静岡空港に近い立地を生かし、台湾や香港を中心にインバウンドにも力を入れていく」と話した。

 運行は12月25日まで。大井川本線新金谷―川根温泉笹間渡間で計156日間運行する。

 きかんしゃトーマスは1945年に英国で出版された絵本「The Railway Series(汽車のえほんシリーズ)」が原作。アニメーションになって世界180以上の地域で放送され人気を集めている。

共有