人口減少が著しい過疎地で「マルチワーク」と呼ばれる働き方が広がっている。ある日は農家で、別の日は宿泊施設で働くなど、移住者が地域の複数の仕事に携わって暮らす仕組みだ。地方の人口減少対策としても注目されている新たな働き方の現場をのぞいた。
岐阜県の山あいにある白川町の「白川ワークドット協同組合」では現在、20~40代の男女6人がマルチワーカーとして働いている。
そのうちの一人、山田なみえさん(24)は埼玉県出身。地方創生に興味があり、「地域のために何かできる仕事はないか」と探していたところ、大学の先輩の紹介で白川町と出会い、22歳の時に移住した。
月、水、木曜はワークドット事務局で広報の仕事をし、火、日曜は町の食事店でスタッフとして働いている。他にも冬はシイタケ農家へ、夏はトマト農家や宿泊施設でも働いている。
働き手を地域で「シェア」
山田さんは食事店やトマト農家などから直接雇用されているわけではなく、ワークドットから派遣される形となっている。
「多種多様な仕事を経験でき…