秋田市の歓楽街・川反(かわばた)で107年続き、秋田名物「きりたんぽ鍋」を全国に広めた老舗料亭「濱乃家(はまのや)」が、5月30日で閉店する。コロナ禍を経て接待が減り、物価高騰や人手不足が追い打ちをかけた。
創業は大正7(1918)年。500坪の敷地に、東北有数の本格的な数寄屋造りの料亭として開店した。秋田杉の一枚板を使った大広間や、茶道裏千家14代家元の千宗室が設計した茶室を備える。作家の渡辺淳一さん(故人)らがひいきにした。
代名詞は秋田のブランド鶏・比内地鶏を丸4日間煮込んでスープを作る、きりたんぽ鍋。ササニシキを「半殺し」にすり潰したきりたんぽは煮崩れしないと評判だ。
発祥の地とされる味を全国に紹介
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