(9日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会1回戦、桜丘9―1舞岡)
二回裏1死一塁、舞岡の三塁手、森田蒼唯(あおい)(3年)は、桜丘の相沢祐希が投げたストレートを振り抜いた。右中間への打球はぐんぐん伸びて走者が生還した。
三塁に滑り込んだ森田は立ち上がり、ヘルメットのつばを少し上げ、照れくさそうに笑った。「打てる球がきたら必ず打つと決めていた」
昨秋と今春の県大会はベンチ入りしたが、レギュラーは後輩に譲った。ボール磨きや道具を入れる倉庫の掃除など、他の部員がやりたがらないサポートを懸命にやった。
武田知己監督は「チームにすごく気を配る。道具の整理や点検をしてくれる」と評価する。
守備でも三遊間を抜けそうな打球をさばいた。「負けて悔しいけど、個人的に悔いは残っていない」。3年間の集大成を発揮した。