Smiley face
写真・図版
第107回全国高校野球選手権岐阜大会 中京―帝京大可児 中京・古久保昇吾捕手=2025年7月27日、ぎふしん長良川、高原敦撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 (27日、第107回全国高校野球選手権岐阜大会準決勝 帝京大可児3―2中京)

 二回、今大会ここまで1失点の中京のエース鈴木悠悟投手(2年)は、安打や野選などで二、三塁のピンチを迎える。古久保昇吾捕手(3年)は「野手を信じて1個ずつアウトを取っていこう」と懸命に声をかけた。

 だがこの回、長短3安打を浴びて3失点。古久保捕手は「鈴木の調子は良かった。相手がうまかった」と振り返った。鈴木投手は先頭打者を塁に出した後、「少し心が動いてしまった。自分の分からないところで崩れてしまった」と悔やんだ。

 三回以降は立ち直り、九回までわずか2安打に抑える。「序盤の3点。絶対みんなが取り返してくれる」。古久保捕手は「勝機は来る」と励まし続けた。

 だが古久保捕手は、バントを試みた打席でバットが口に当たるアクシデント。五回で交代した。

 その後にチームは反撃を開始。2点を奪って1点差に詰め寄り、押せ押せムードに。交代直後はベンチ裏に下がっていた古久保捕手はベンチに戻り、痛みを抱えつつ仲間たちに必死の声かけを始めた。「声をからしました」。だが思いはわずかに届かなかった。

 今大会、中京は鈴木、日比野脩平、堀倭人(やまと)、西岡海心の4投手が登板。古久保捕手はそれぞれの特徴を生かすリードに心を砕いてきた。

 鈴木、西岡両投手はまだ2年生。「投手陣は岐阜県ナンバーワン。来年は二枚看板で春も夏も甲子園に行ってくれると信じています」と後を託した。

共有