同じ敷地内に認定こども園と小学校を設けて保育と小学校教育の連携を図る「幼保小連携型施設」が今月、鳥取県米子市内に完成した。市内では初めての施設で、園児が小学生と交流することにより、小学校にすぐになじめない「小1ギャップ」の解決などを目指す。
米子市博労町4丁目の市立啓成(けいじょう)小学校(児童数330人)の敷地内に、認定こども園「米子市東こども園」(定員120人)が1日、開園した。市教育委員会によると、東こども園の前身の市東保育園は以前は啓成小から約300メートル離れた場所にあったが、土地が狭く老朽化していた。このため、元々交流があった経緯もあり、同じ敷地内に移転することで幼保小連携を強めることにしたという。
約2万平方メートルの敷地に、3階建ての小学校舎と、2階建てのこども園舎が並ぶ。校舎と園舎の間にはフェンスはあるが扉を開ければ行き来が可能だ。
今後、理科の授業でのおもちゃ作りやプール遊び、楽器演奏などで園児と小学生が一緒に学ぶことで交流を深める試みを進めていくという。また、どんな園児がいるのかを小学校側と共有することで、早めに新入生の状況を把握できるメリットもあるという。
7日にあった完成式典で、伊木隆司市長は「『小1ギャップ』は課題で、環境の変化に適応出来ない子もいるが、ここでは入園からあたかも小学校に来たかのような雰囲気で過ごすことが出来る」と意義を強調した。