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カードゲーム「ハナノナ」。イラストから植物の名前を当てる連想ゲームができる=瀬戸けいたさん提供
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 この花の名は、なーんだ? 山形県の蔵王山系に自生する植物について楽しく学んでもらおうと、東北芸術工科大学(山形市)美術科・総合美術コースの学生が山形市野草園と共同でカードゲームを作った。持ち前のデザイン力と表現力で幅広い年代が親しめる内容に仕上げた。

 カードゲームの名は、「ハナノナ」。コマクサ、カタクリ、ザゼンソウなど野草園に生育している30種の花や草木を取り上げた。関連するイラストをヒントに野草の名前を当てる連想ゲームや、ペアのカードを見つけて遊ぶ絵合わせゲームができる。野草の名前の由来も簡潔に書かれており、詳しく知りたい場合は、カードのQRコードをスマートフォンで読み取ると野草園の植物検索システムにリンクできる仕組みだ。

 4月26日には野草園でワークショップを開催。訪れた人が学生の手ほどきを受けながら実際にゲームを楽しんだ。

 植物の美しさやおもしろさをアートの力で広く発信しようという「ざおうとやそう」プログラムの一環。瀬戸けいた准教授のゼミ生7人が野草園の監修を受け、昨年10月から約5カ月かけて完成させた。

 学生たちは、デザイン、ボタニカルアート(植物画)、イラストの3チームに分かれて制作を担当。ボタニカルアートは正確性を期すため、野草園のスタッフとも何度もやりとりをして植物の詳細な絵を描いた。絵合わせゲームのイラストは、わかりやすさに重点を置いた。

 デザインを担当した4年の益子莉緒さん(21)は「小さい子から高齢者の方まで親しめるカードになった。遊びを通じて身近な野草の知識を学んでもらい、実際に野草園を訪れる人が増えたらいいなと思います」。

 瀬戸准教授は「体験された方に好評で、学生の学びが実際の社会の中でいかされたと実感している」と評価した。

 「ハナノナ」は野草園や市内の施設「コパル」などに置くほか、野草園のウェブサイト(https://www.yasouen.jp/hananona/別ウインドウで開きます)からダウンロードもできる。「ざおうとやそう」は今後、第2弾の企画も検討している。

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