狂言普及活動家の福富英里子さん=2025年6月17日午前11時19分、東京都町田市南成瀬7丁目、竹中美貴撮影

楽問(がくもん)のススメ

学校、趣味、学び直し……。「学ぶ」「教える」の現場にいる人たちに取り組みや魅力を聞きます。今回は、狂言の魅力を広める活動をしている福富英里子さんです。

 狂言を通して自己表現する楽しさを知ってほしいと、有償ボランティアで狂言普及活動をしています。東京都町田市内を中心に、都内の幼稚園や小中学校などで120回以上の出前授業をしてきました。

 狂言に初めて触れたのは、小学6年生の国語の授業。教科書だけでは面白さが分からず、第一印象は最悪でした。印象が180度変わったのは、高校3年生の時。学校主催の芸術鑑賞会で、人間国宝の野村万作、萬斎親子の舞台を見ました。会場に響く凜とした声、全くぶれることのない洗練された所作――。こんなものが世の中にあったんだ、と雷に打たれたような衝撃を受けました。

 入学した共立女子大学に偶然、萬斎さんが講師を務める狂言研究会があり、入会を即決して稽古に打ち込みました。卒業後は野村親子の事務所で約8年間、一門の狂言公演の運営などを担いました。

初めて浴びた「自己肯定感のシャワー」

 結婚と出産を機にしばらく狂…

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