赤沢亮正経済再生相が16日に訪米し、「トランプ関税」をめぐる協議が本格化する。米側との交渉では、トランプ米大統領が問題視する「ドル高」の是正が議論になる可能性が浮上している。金融関係者の間では、かつての「プラザ合意」の再現になぞらえ、トランプ氏の私邸を冠した「マール・ア・ラーゴ合意」なる言葉も飛び交う。
石破茂首相から日本側の交渉役に指名された赤沢氏は17日未明に、ベッセント米財務長官らと会談する。関税の対象から日本製品の除外を求める考えだが、米側がどんな「見返り」を求めてくるかは見えていない。
ヒントになるのが、ベッセント氏がSNSに投稿した内容だ。日米間で期待する取り組みとして、関税や非関税障壁、政府の補助金とともに、「通貨問題」を挙げた。
為替相場をめぐっては、第1次トランプ政権の時も、「円安ドル高」がやり玉になった。2019年に結んだ日米貿易協定の交渉では、米側は「輸出を有利にすることを目的に通貨安政策をとらない」などとする条項を入れるよう求めた。
ただ、当時の為替レートは1ドル=100円台。日本側は到底受け入れられないとして、粘り強く交渉したところ、この条項は加えられなかった。
足元の円相場をみると、当時よりもはるかに円安が進んでいる。今回の交渉をめぐり、投資家の間でささやかれているのが、トランプ氏は「プラザ合意」の再来をめざしているというものだ。
プラザ合意は85年に、当時…