毎年、二百数十万人が訪れる冬の北海道の最大の催し「さっぽろ雪まつり」(2月)で、メイン会場・大通公園の大雪像5基のうち2基をつくっている陸上自衛隊が、2027年2月開催から1基だけにしたいと、札幌市に19日、申し入れた。
市などによると、今冬は延べ8千人の自衛隊員が大雪像づくりに携わった。だが、国際情勢の緊迫化や近年多発している大規模災害への対応から、隊員の確保が難しくなったという。
市は今後、関係団体と対応を協議する。ただ、人手不足もあり、民間がつくっている3基の大雪像を増やすことも難しい状況といい、大雪像は4基になる公算が大きい。
陸自は冬季訓練の一環として、1955年から雪像の制作に参加。雪の輸送や雪像の加工を担い、最盛期は4基をつくっていた。だが、近年は全国規模の配置換えや任務の多様化などで、2002年に3基に、15年からは2基に減っていた。
秋元克広市長は取材に「残念だ」としつつ、昨今の人手不足や世界的な気温上昇に伴う雪不足から、「現実的に民間で対応できるかというと、かなり厳しい面がある」と述べた。今後、まつり全体の規模も含めて検討していくという。