「釜揚うどん店 あおやま」の値札。何度も張り替えられた跡が残る=2025年6月25日、茨城県つくば市北条、鹿野幹男撮影

 参院選の大きな争点になっている物価高対策。日々の暮らしに直結するだけに、候補者らは給付金や消費減税などの公約を掲げて舌戦に臨む。有権者は政治に何を求めるのか、現場を歩いて耳を傾けた。

財布のひもが固くなった

 開業して7年。店内に掲げた値札を、値上げのために3、4回張り替えた。

 茨城県つくば市の筑波山近くにある釜揚げうどん店の店主、青山晃正さん(47)は訴える。

 「3年前のウクライナ戦争から、ずっと物価高が止まらない」

 小麦粉の値段は、政府の介入で少し落ち着いたが、調理で使うプロパンガスの費用や運送費、電気代の上昇が痛い。

 当初、税込みで600円台後半だったざるうどん「大」は、いま960円。300円近く上げざるを得なかった。

 持ち帰り用のうどんを買う客が格段に減り、常連客の来店の頻度も少なくなった。土日は家族連れが減って、1人で来る客が目立つように。客の財布のひもが固くなっていることを肌で感じる。

 「暮らしにゆとりがなければ外食に行こうと思わない。まずはお客さんの毎月の給料を確実に上げる政策を実現してほしい」

「給付金、ありがたいけど…」

 「(実現したら)給付金はあ…

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