具材などにこだわったかき氷を求めて行列ができた「浅草浪花家」=2024年6月22日、東京都台東区、宮崎健撮影

 日本銀行が発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、大企業・非製造業の景況感が4年ぶりに悪化した。好調が続く業界にも、歴史的な円安や長引く物価高により影が差している。

 東京で真夏日を記録した6月下旬、浅草のたい焼き店「浅草浪花家」では、旬のフルーツやあんこを使ったかき氷を求めて行列ができていた。国民的ヒット曲「およげ!たいやきくん」のモデルとされる老舗「浪花家総本店」からのれん分けし、2010年に開業。ところが本店ほどの売り上げが見込めず、夏場しのぎで始めたかき氷がいまや店の売り上げの半分超を支え、通年販売する名物となった。

 「浅草寺から少し離れているが、観光客らで忙しくなった。多い日は外国人客も2割くらい占める」と店主の安田亮介さん(49)。都内のかき氷専門店では数千円という価格設定もめずらしくないなか、浪花家は750~1300円ほどで提供して客を引きつけている。だが足元では、食材などの価格高騰に苦しむ。

 小豆こそ本店を通じた仕入れ…

共有
Exit mobile version