孫の顔をはじめ、天井やテレビ画面をうつろな表情で見つめる。孫に薬を飲まされそうになると、意地汚くはき出す。認知症の紀江は貧相で弱々しい。演じる自身の、華やかなパブリックイメージとのギャップが面白い。 「何を見ても分からない、という役なので、全部の力を抜いてボーッとしていただけですよ。けれど確かに…