試合に敗れ、ベンチ前で涙を流す宮古総合実・宮古工の選手たち

 (14日、第107回全国高校野球選手権沖縄大会1回戦 小禄11―1宮古総合実・宮古工)

 ベンチ前で涙が止まらなかった。

 宮古総合実・宮古工は2019年から連合チームを組む。両校の3年生たちにとっては、入学したときからずっと一緒に練習をしてきた仲間だ。

 昨年まで夏は3年連続で初戦突破してきたが、この日は守備の乱れが目立った。一回に4失点、二回に2失点と流れをつかめなかった。六回でコールド負けした。

 昨秋から公式戦での勝利はなく、宮古総合実の知念新大監督は「1勝を目指したが、序盤から緊張してミスが目立ち、大量失点に絡んでしまった」。

 両校は車で10分ほどの距離にあり、雨の日以外は互いの高校を行き来してチームワークを深めた。宮古工の仲間悠翔(3年)は「学校は違うけど一つのチームだと思ってやってきた」と言い、「どんな状況でも、最後まであきらめないで全力で声を出すことを徹底できた」と目をうるませた。

 これで3年生7人が引退し、2校合わせても1、2年生で8人になる。「後輩たちはどうなるかわからない。でも、全員やめないで野球を続けてほしい」

 宮古総合実の阿波根光佑(3年)は「同じ島で育った仲間」との日々を思い出していた。

 放課後の帰り道のたわいもない会話、励まし合って乗り越えた冬のトレーニング、ゴールデンウィークに盛り上がったバーベキュー……。「負けてばっかりだったけど、楽しかった。最高のチームだった」

 そして、後輩たちに向けてエールを送った。「新しい仲間を見つけて、自分たちより、もっと良いチームになってほしいです」=沖縄セルラー

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