火起こし体験で子どもたちに指導する茨城県キャンプ協会会長の園部高生さん(右)=2025年8月9日、水戸市、古庄暢撮影

 柔らかな炎の色と温かさ。家族や友人らと囲むキャンプのたき火は、日々の疲れを癒やしてくれる。ただ、一つ間違えば火災にもつながりかねない。総務省消防庁によると、全国で起きる林野火災の原因の3割超は、たき火にあるという。これから秋の行楽シーズンもやってくる。安全に楽しむためにはどうしたらいいのか。正しい火起こしとマナーを記者が教わってきた。

 8月上旬の夕方、水戸市郊外で開かれた夏祭り。会場の一画で、茨城県キャンプ協会による火起こし体験のコーナーが設けられていた。

 来場した子どもらが、金属棒と金属片をこすりあわせて着火する「メタルマッチ」を使って、麻ひもに火をつけていた。

小さな炎がともると歓声

 たき火に使う「種火」で、麻ひもは火がつきやすいように事前に繊維が綿状になるまで手でほぐしてあった。

 「怖がらずにしっかりこすりあわせて」。会長の園部高生さん(54)が子どもたちを指導する。こすった棒の先から次第に火花が飛び散り、麻ひもに小さな炎がともると歓声があがった。

 安全なたき火の方法も学ばせ…

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