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チャリティーリレーでアンカーを務めた硬式野球部。1年生から3年生までの全部員約120人で走った=興国高校提供
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 興国高校(大阪市天王寺区)の生徒らが30日、能登半島地震、能登豪雨と相次いで大きな被害を受けた石川県輪島市を訪れ、義援金50万円を届けることになった。大きな善意を生んだのは、全校の情熱と汗と、1本のたすきだった。

 10月24日、25日にあった興国高校の文化祭。校舎に囲まれたグラウンドを生徒や教職員が回り続ける姿があった。

 題して「24時間ラン&ウォーク チャリティーリレー」。全校生徒や教職員ら合わせて約2600人が参加し、文化祭が始まった24日午後2時から24時間休みなしで走ったり、歩いたりして、たすきをつないだ。

 1周約170メートルのコースを24時間かけて回った結果、合計385キロになった。1キロ=1円で換算し、一口385円で企業や同窓会など校内外の関係者に支援を呼びかけたところ、70万円以上が集まった。

 「チャリティーリレー」は30年ほど前、生徒会を中心に発案されたという。以来、文化祭の恒例行事に。集まったお金は東日本大震災や熊本地震の被災地、トンガ、ケニアなどの支援にも役立てられた。

 今回は指導の一環として、硬式野球部の2年生32人と喜多隆志監督が石川県に向かい、30日に能登半島の被災地でボランティア活動をする。さらに全校を代表し、輪島市に義援金を贈る。

 チャリティーリレーでは硬式野球部員も全員が2キロほど走った。主将の林諒真選手(2年)は「震災や水害のニュースをテレビで見て、野球ができることは当たり前ではないと感じた。集まったお金が少しでも被災地の方の力になれたらと思う」と話す。

 1本のたすきをつなぐことから生まれた支援。チームは水害に遭った住宅地の清掃や引っ越しなど、復旧作業に取り組む。エースの若林獅童投手(2年)は「少しでも力になれるよう作業を頑張りたい」。喜多監督は「生徒にとっても私にとっても貴重な体験。誰かのために尽くすことで、人とのつながりを感じ、学ぶ機会としたい」と話している。

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