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写真・図版
遠賀川水源地ポンプ室=2015年6月15日午後1時30分、福岡県中間市、金子淳撮影

 日本の主要な石炭産地だった福岡・筑豊地方を、1級河川の遠賀川がのびる。下流域のほとりに赤れんが造りの建屋が並ぶ。ツタがはう外壁が悠久の歴史を物語る。

 「明治日本の産業革命遺産」のひとつとして2015年に世界遺産に登録された、中間市の「遠賀川水源地ポンプ室」。1910(明治43)年に稼働を始め、官営八幡製鉄所へ水を送り出した。日本の近代化を支えた施設だ。

 かつて筑豊炭田の一角を成した市は、炭鉱の閉山で人口が減少。70年代から鉄鋼など製造業が集まる北九州市のベッドタウンとして盛り返したが、人口は85年の5万人をピークに減少に転じる。そして今、高齢化率38.26%(4月現在)と少子高齢化が進む。

 今月3日、財政畑が長かった田代謙介副市長に市の税収の内訳について聞くと、こうこぼした。

 「お恥ずかしい。改められないものかと思っています」

15年間で約1.3倍、安定財源のたばこ税

 税収構造の背景には、市が直…

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