保護者と話す西野将太さん。「発達支援では保護者とのやりとりにも十分な時間をとる」と話す=2025年1月30日、鹿児島市真砂本町の「なかよし園」、織井優佳撮影

現場へ! 言語聴覚士 知ってる?

 鹿児島市の児童発達支援・放課後等デイサービス「なかよし園」は、発達に不安を抱えた未就学児や小学生が通う療育施設だ。親子通園が基本で、子どもと家族に寄り添う支援を行う。療育は1コマ2時間半。保護者はマジックミラー越しに見学したり、保護者同士で情報交換したり。「子どもの言葉の発達が遅いと感じ、利用を考える保護者から『言語聴覚士は勤務していますか』という問い合わせがとても多い」と永吉珠美園長は言う。

 文部科学省の2022年調査では、知的に遅れはないが学習または行動に著しい困難を示す小中学校の児童生徒は8・8%と推定された。子どもの数が減る中、自閉症や情緒障害、学習障害などで特別支援教育を受ける子の数は2023年度までの10年間で倍増した。他人との意思疎通や対人関係が難しい子を、コミュニケーションの専門家として支援するのが言語聴覚士だ。

 月1回、「なかよし園」で療育を担当する言語聴覚士の西野将太さん(38)は、カラフルなおもちゃを次々取り出し、子どもの様子を観察する。小児領域の専門家として日本言語聴覚士協会の理事を務め、かける言葉の選び方、対応の仕方には工夫がいっぱいだ。

 間もなく3歳になるAちゃんには「これで遊ばない?」と呼びかけを一ひねり。「遊ぶ」と言ったらおもちゃを渡す。カードのやりとりでは、「渡す・もらう」を意識。西野さんは「ください」と呼びかけ、Aちゃんが「ください」でなく「どうぞ」と言って差し出すまで受け取らずに待つ。

 おうむ返しではなく、考えた上で出た言葉かを確認している。コミュニケーションとは、自分とモノ以外の「だれか」に意思を伝える行為だと認識させるためだ。考えて言葉を切り替えたAちゃんの成長も確認出来た。

 2枚の絵カードを選ぶ課題で…

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