2005年の守谷駅。周辺に大きな建物は少ない=05年11月、茨城県守谷市、朝日新聞社ヘリから

 駆け抜ける鉄路の開発面積は東京ドーム600個分以上に及ぶ。終着駅の名を冠した列車は、2005年8月24日、最速130キロで走り始めた。首都・東京と茨城を結ぶつくばエクスプレス(TX)は今年8月、開業20周年を迎える。

 「ふるさとのように広い場所で子どもを育てられるのが魅力」。保育士の40代女性は1年ほど前、東京都内から茨城県つくば市に引っ越してきた。暮らすのはTXの万博記念公園駅近くの一戸建て。北海道出身で同郷の夫と一緒に長男(7)と長女(4)を育てている。東京の秋葉原駅まで約50分。首都圏各地での勤務がある公務員の夫が通勤できて、4千万円台でマイホームを購入できるのが決め手となった。

 沿線は子育て世帯を中心に人口が増え続けている。特につくば市の増加率は著しく、23年に公表された人口増加率は、政令指定市を含む全国の市と東京23区を対象にした市区部で1位の2・3%だ。今年1月の常住人口は26万200人に達し、05年から6万1700人も増えた。

林や更地にビルが林立

 沿線の風景も一変した。

 「周囲が茶色の更地ばかり…

共有
Exit mobile version