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 茨城県立つくばサイエンス高校(つくば市)の名誉校長に、ノーベル物理学賞受賞者が就任することになった。同校では定員割れが続いており、学習内容の充実を図るとともに学校の魅力を生み出すのが狙いだ。

 25日の県教育委員会の発表によると、就任するのは2008年にノーベル物理学賞を受賞した、つくば市在住の小林誠氏。高エネルギー加速器研究機構(KEK、つくば市)の特別栄誉教授にも就いている。今年度中にも就任する予定。

 小林氏に託されるのは、学校での科学教育や魅力づくりへの助言のほか、年1回程度は生徒が機構を見学したり、小林氏の特別講演を聞く機会を設けたりすることを想定している。

 また、同校の科学技術科の生徒への出前授業や研究に助言をする「サイエンスアドバイザー」に、筑波大システム情報系の磯部大吾郎教授が今年度中にも就任する。サイエンスアドバイザーには大学教授などが就き、今後ロボット、情報、建築、化学生物の分野で順次拡充する予定だという。

 同校は23年4月に開校し、全て科学技術科で募集定員は6学級240人だが、2年連続で大幅な欠員状態になっている。県教委高校教育課によると、進学実績がなく、中学3年の時点で進路を理系に決めるのが難しいことが理由とみられる。県教委は来年度から、科学技術科を3学級に減らして普通科3学級を新設する方針だ。

 柳橋常喜教育長は「小林氏の経験と知見を同校にも広げてもらいたい」と期待する。(富永鈴香)

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