街頭演説する他の候補の前で、マイクで話し続ける政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(右)。電話ボックスの上に立っていた=2024年4月16日午前11時47分、東京都江東区

 4月にあった衆院東京15区補欠選挙で他陣営の街頭演説を妨害した疑いで、代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人が逮捕された政治団体「つばさの党」。政治資金収支報告書からは、主張に賛同する個人に支えられ、活動する様子もうかがえる。

 2022年分の政治資金収支報告書によると、つばさの党の収入は前年からの繰越金を含めて3079万円。5割以上(1730万円)が寄付で、逮捕された黒川容疑者が幹事長を務めていた旧NHK党からが891万円に上った。残りは個人による寄付で、5万円以下の少額寄付がそのうちの4割を占めた。

 支出総額は2108万円。黒川容疑者の政策活動費に計420万円を支出していたが、使途の公開義務がないため、具体的な使い道は不明だ。

 このほか、黒川容疑者が22年2月の町田市長選に立候補した際とみられる「陣中見舞い」として100万円を支出。街宣車の修理代や、東京都や愛知県の人物への「選挙応援」名目の支出があったほか、「広報業務委託費」として、黒川容疑者らが代表社員を務める合同会社に120万円を支払っていた。

 前年と合わせて個人8人から計770万円の借り入れがあり、うち5人に対し64万円を返済していた。

 つばさの党に寄付した個人は、北海道から九州まで全国にわたる。どのような思いで支援し、今回の逮捕についてどう感じているのか。

「『おかしいな』という自分の疑問に答えてくれた」

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他陣営の選挙妨害をしたとして逮捕され、警視庁に移送されるつばさの党代表の黒川敦彦容疑者=2024年5月17日午前10時45分、東京都千代田区、柴田悠貴撮影

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