契約更改交渉を終え、契約書を見せるつば九郎(左)と青木GM特別補佐=1月

 花冷えの2日、どこか寂しさの漂う神宮球場開幕だった。彼の姿がそこにない。今年2月、ヤクルトのマスコットつば九郎を支えてきた社員スタッフ、いわゆる〝中の人〟が突然、亡くなった。

 愛すべきキャラクターだった。最後に会ったのは1月末、毎年恒例となった契約更改の時だった。昨季で現役を引退した青木宣親GM特別補佐と会見に臨み、いつも通りフリップにしゃれの利いたコメントを書き込んでいた。沖縄・浦添でのキャンプにも姿を見せたが、当地で体調を崩したという。デビューから31年目の春だった。

 「フリップ芸」や「契約更改」をつば九郎の担当者とともに仕掛けた人がいる。元球団広報の加藤謙次郎さん(現Sports Marketing Asia pacific代表取締役)がその人だ。2007年、チームは最下位に終わり、古田敦也監督、高津臣吾、石井一久、ラミレスら中心選手が退団した時だった。「広報としてどんなことをしたらいいか悩んでいた頃だった。そこで他球団に勝てる要素として浮かんだのが、つば九郎の存在だった」

 スポーツの話題の少ない年末…

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