運行を開始した「お遍路電車」=2024年5月16日、松山市湊町5丁目、中川壮撮影
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 松山市内を走る路面電車に「お遍路電車」が登場し、16日、伊予鉄道松山市駅で出発式があった。企画した四国霊場会伊予部会の住職7人が電車の前に立ち、お経を唱えて安全を祈願した。

 伊予鉄グループの「ご当地電車」第6弾。電車の正面には、すげ笠をかぶり両手を合わせるお遍路さんをデザインしたヘッドマークが掲げられ、車体には、四国霊場八十八カ所の寺院のうち愛媛県内にある26寺院の名前が記されている。

 車内のつり革には、すげ笠をかたどった樹脂製模型(直径約8センチ)が付けられ、お遍路の由来などを解説したポスターも掲示された。使用車両はモハ50形だ。

 四国霊場会伊予部会と伊予鉄グループが企画し、2027年まで運行予定。

 出発式では、四国霊場会伊予部会長の佐々木善康・前神寺住職が「四国遍路を身近に感じてもらうために計画した。お参りしていただくことを切に願います」とあいさつした。

 伊予鉄グループの清水一郎社長は「世界遺産登録の弾みになれば」と話した。

 車体のデザインやつり革に趣向を凝らした伊予鉄グループの「ご当地電車」はこれまで、「みかん電車」「タルト電車」「媛ひのき・媛すぎ電車」「砥部焼電車」「今治タオル電車」があり、現在すべてが松山市内で運行している。(中川壮)

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