「づつない」「やっとかめ」はもう死語――。方言研究家の神田卓朗さん=岐阜市=が、市内の高校生らに岐阜弁の理解度や認識度を調査したところ、「分からない」との答えが、約25年前に同様の調査を行った時よりも増えていることがわかった。神田さんは「方言離れが加速していて危機的な状況」と警鐘を鳴らしている。
調査は岐阜市教育委員会の協力を得て、昨年5~6月に市立岐阜商業高校の高校生55人に「えらい」(意味:疲れる、くたびれる)、「おそがい」(怖い、おそろしい)、「やっとかめ」(久しぶり)など、代表的な岐阜弁50語についてアンケートを行った。
高校生55人のうち、3分の2以上の生徒が「分かる」と答えた岐阜弁は15語(30%)で、「分からない」の27語(54%)が上回った。
神田さんは1997年にも岐阜北高校の生徒40人にまったく同じアンケートをしている。その時は「分かる」が25語(50%)と半数に達し、「分からない」が18語(36%)と、今回とは逆の結果だった。
今回、高校生55人全員が「分からない」と答えた岐阜弁には、「づつない」(おなかがいっぱいで苦しい)、「かんこうする」(考える、検討する)、「やっとかめ」(久しぶり)、「ごがわく」(腹が立つ、頭にくる)、「けなるい」(うらやましい)などがあり、神田さんは「高校生の世代では死語化している」と指摘する。
高校生の多数「分かる」と答えた方言は…
前回と今回の調査で共通して「分かる」が多数を占めた方言もあった。
「(机を)つる」(持ち上げ…