生活道路の雪の山を取り除く「排雪」。雪国・札幌の市民にとっては暮らしやすさに直結する切実な問題だ。
札幌市は、町内会などに費用負担を求める現行のパートナーシップ排雪制度(PS制度)の見直しに着手し、公費負担で全域の排雪を担う方向性も含めて検討を重ねている。
□
25日朝、戸建て住宅が立ち並ぶ札幌市白石区の北郷地区の一角。路面に20センチ前後あった圧雪は、タイヤショベルが何度も往復して厚さ10センチまで削られた。道路脇に寄せられた雪は、歩道の除雪に使われることの多い小型のロータリー除雪車によって巻き上げられ、トラックで運び出される。道路幅は、最終的に4.5メートルほどに広がった。
「本当に助かります」「ありがたい」
住民は口々に感謝の声をあげた。この地域は、PS制度を利用していない。一連の作業は、札幌市が検証する生活道路の除排雪の新たな手法の試験施工の一環として、地域負担なしで実施された。
□
市雪対策室によると、路上の雪をかき分けて通行可能なスペースを確保するなどの「除雪」は市が担うが、雪を取り除く「排雪」は、除雪よりも多くの人手、機械、費用を必要とし、幹線道路などに絞って実施する。
一方、市内に約3800キロメートルある生活道路(道路幅10メートル未満)の排雪は、希望する町内会などと市の双方が費用を負担しあうPS制度で支援。昨年度は全体の7割相当の約2600キロメートルで利用された。
ただ、PS制度開始から30年以上が経過し、社会は大きく変わった。
在宅介護サービスや宅配の普…