(30日、プロ野球 千葉ロッテマリーンズ7―0オリックスバファローズ)

 幕張の強い海風が、よく似合う。

 千葉ロッテマリーンズの石川歩は「ちょっとそわそわ」して、右肩手術からの復帰のマウンドに立った。

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 上空は風速10メートル以上の強風だった。制球に苦しむ相手先発の山下舜平大と対照的に、ひょうひょうと腕を振り続ける。

 毎回走者を許しながらも、風の影響で普段より曲がる変化球を巧みに操ってオリックス打線に本塁を踏ませなかった。

 5回75球、被安打3で無失点。2022年9月13日の日本ハム戦以来、656日ぶりの1軍マウンドで669日ぶりの白星を挙げ、「ぴしゃっとはいかなかったが、何とか耐えられた」と振り返った。

 昨季、開幕投手に指名されたが、右腕のコンディション不良で回避し、プロ10年目で初めて1軍登板がなかった。「ダメだったらやめる」覚悟で昨年10月に右肩の手術に踏み切った。

 今季は育成契約でスタートした。「自分を見直すいい機会だった」。リハビリを経て、6月24日に支配下復帰を果たした。

 吉井監督は「技術は天下一品。今日は後輩たちもいい勉強になったんじゃないか」と賛辞を贈る。

 ソフトバンクの首位独走に待ったをかけるためにも、16年に最優秀防御率に輝いた背番号「12」の復活は欠かせない。(清水優志)

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