仕事で使うスキルを身につけるために、いざ勉強しようと思っても一人ではモチベーションが続かない――。そんな課題を解消しようと、学びのコミュニティーづくりが注目されています。

 3月下旬、オンライン上に旭化成の2024年度の新入社員約10人が集まった。新卒を対象にした、学びのコミュニティー「新卒学部」の1年間の活動を振り返る会だ。

 新卒学部は新入社員約300人を四つのゼミに分け、学習動画の配信サービスを手掛けるSchoo(スクー)(東京)が提供する動画を月2回程度学ぶ。全国各地の勤務地から同時間帯にオンラインで参加して学習し、気づきなどチャット上で共有するほか業務の悩みも相談しあう。秋以降は集合学習に加えて、外国語や資産形成など新卒社員が企画した七つのゼミに分かれ、外部講師を招くなど主体的に取り組んだ。

 この日集まったのは運営にあたった「ゼミ長」などのメンバーたち。「負担を分担できる仕組みがあってよかった」「オンラインでのやりとりはこまめにリアクションがあるとスムーズになる」と経験を今後のキャリアに生かすため約2時間、グループワークなどで話し合った。

 岡山・水島製造所に勤務する上間正椰さん(27)は「通常業務では得られにくいことを学べ、職場の外の人とのつながりを感じられた。学びのモチベーションも上がる」と話す。

なぜ、リスキリングがうまくいかないのか。記事の後半では、企業の取り組みや専門家のアドバイスを紹介します。

 旭化成が新卒学部を始めたの…

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