授乳期が終われば、話せるようになれば、中学生になれば――。子育ての「いつかきっと楽になる」という希望は、裏切られることがあります。このしんどさはいつまで続くのか。翻訳家でエッセイストの村井理子さんは「一生続く」と覚悟しているそうです。
ワンオペ育児を生き延びて
双子の息子たちの子育てをエッセーなどの文章にしてきました。子育てって、本当につらい。だから、同じようにきつい思いをしているお母さんに「うちでもこんなことがあったよ」と悲惨な話が届くと、少しだけでも気持ちが楽になるんじゃないかと思っているからです。
乳幼児期は、肉体的に大変でした。夫は仕事人間で、昭和の感覚の人。夫にも義母にも「3歳児神話」があり、暮らしている地域には今も、「保育園は『母親も働かないと暮らせない貧乏な家』の子どもが通う場所」という感覚が残っています。双子のワンオペ育児に必死になった結果、身体を壊し、精神的にも追いつめられ、子どもがかわいいと思えなくなった時期もありました。子どもと自分を守るために保育園に入れて、なんとか生き延びました。
しんどかった思春期
でも今振り返ると、一番しん…