今月13日に92歳で亡くなった詩人の谷川俊太郎さんの作品は、多くの合唱曲にも用いられています。谷川さんの詩は、なぜ作曲家たちを魅了するのか。谷川さんの詩を含め、200曲以上の合唱曲を作ってきた作曲家の相澤直人さん(46)に聞きました。
朝6時、谷川さんからの電話
――初めて谷川さんの詩に作曲したのは。
2011年です。ある音楽イベントで、招待した谷川さんにプログラムの前書きをお願いしました。すると、届いた文章の最後に、「歌われて」という題で、書き下ろしの詩が添えられていたのです。
「歌われて重い言葉も ふんわりと空に浮かぶ 歌われて今日の心は 昨日をほどいて 明日へとむすぶ」。こう始まる詩を読んだ瞬間、曲を書きたい、と強く思いました。そして、すぐに谷川さんに手紙を書きました。
数日後、朝6時ごろ電話があ…