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オンラインでのインタビューに応じる北海道東川町の菊地伸町長=2024年12月13日
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■A-stories 8がけ社会 消滅の先へ(インタビュー)

 今後、全域で人口急減が見込まれる北海道にあって、東川町は過去30年間人口が増加傾向にあり、今後も増える見通しだという。町職員として町の求心力づくりに関わってきた菊地伸町長に、現役世代が2割減る「8がけ社会」でも、都会とは違う独自の魅力と活力を保ち続ける秘訣(ひけつ)を聞いた。

 ――町はなぜ移住者に選ばれるのですか。

 まず移住者という言葉は好きではありません。外から来た人と元々住んでいた人を区別してしまう言葉だからです。いま住んでいる人に加えて、住んでいないけれど町を応援してくれている関係人口も一緒にまちづくりをする「町民」だと考えています。

 町として、移住者に何か特典をぶら下げるようなことはあまりやっていません。移住者を増やすためではなく、町で生活する人が幸せに、豊かに暮らすための環境を整備してきました。

 私たちは「移住してください」とは言いません。「町はこういうことにこだわっていて、その本質を理解した上で住んでいただけるなら、ぜひ住んでください」と説明します。

連載「8がけ社会 消滅の先へ」

 地方の「消滅」危機が唱えられて10年以上が経ちました。日本の人口はさらに縮小し、並行して現役世代が2割減る「8がけ社会」へと向かいます。すべての自治体が今のまま続くとは考えにくい。だからこそ「消滅の先」を描こうとする各地の取り組みから、地方の未来を考えます。

  • 記者コラム|独自の魅力掘り下げた40年、縮む社会の「豊かさ」探る 活路は地方

 ――人を引き寄せる町の魅力はどこにありますか。

 旭川空港から10分とアクセ…

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