のと鉄道が全線運行再開し、「お待たせしました」の文字を手に写真におさまる関係者ら=2024年4月6日午前5時20分、石川県穴水町、金居達朗撮影
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 能登半島地震で被災した第三セクター「のと鉄道」(石川県穴水町)の能登中島―穴水間(16・8キロ)が6日朝、再開した。沿線の高校の入学式などに間に合わせるため、線路を保有するJR西日本が急ピッチで工事を進めた。

 のと鉄道の和倉温泉―能登中島間(11・2キロ)とJR西と共用の七尾―和倉温泉間(5・1キロ)は2月に再開しており、のと鉄道はこれで全線が再開。金沢から穴水まで鉄路がつながった。

屋根や壁、壊れたままでも

 6日早朝、穴水駅のホームに住民や社員、作業員ら100人以上が詰めかけた。金沢市から駆けつけた女性(47)は「とにかくうれしい」。いつも数人の始発がほぼ満席になった。

 午前6時12分、馳浩知事らを乗せた列車が滑り出すと、住民らが一斉に手を振って見送った。

 「こんなに早く再開できるなんて」。のと鉄道の運輸課長、瀬戸律友さん(57)は感無量だ。

 地震のあった元日の夕方、穴水駅で勤務中だった。体が突然突き上げられ、書棚や金庫が倒れてきた。ホームに飛び出すと、レールがちぎれ、駅のコンクリートがめくれ上がっていた。

 あれから3カ月余り。

 穴水駅は今も、2本のホーム…

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