普天間朝佳・ひめゆり平和祈念資料館館長(右)の案内で、館内を視察する石破茂首相=2025年6月23日午後2時19分、沖縄県糸満市、代表撮影

 戦後80年の「慰霊の日」を迎えた沖縄。今年、沖縄戦の解釈を巡る政治家の発言が相次いだ。背景にあるものは何か。

首相、「沖縄戦」への思いにも言及

 沖縄県糸満市のひめゆりの塔で、献花台に花を置いた石破茂首相は、約5秒間、礼をしたまま黙禱(もくとう)した。

 現職の首相が、慰霊の日の23日にひめゆりの塔を訪れるのは極めて異例だ。朝日新聞の「首相動静」によると、1995年の村山富市首相(当時)以来で、30年ぶりとなる。

 隣接するひめゆり平和祈念資料館を視察した後、首相は記者団に「どうしてもこの場に行きたかった。不戦の思い、戦争の悲惨さ、それをもう一度自分の胸に刻まねばならないという思いで、ここへ参った」と語った。

 ひめゆりの塔は、沖縄戦に看護要員として動員され犠牲となった女子生徒らを悼む碑だ。資料館は、沖縄戦の実相や学徒たちを戦場にかり出した当時の教育のありようを伝える場となっている。

 訪問の背景にあるのが、自民党の西田昌司参院議員が5月に、ひめゆりの塔の展示内容を「歴史の書き換え」などと発言した問題だ(後に一部撤回し謝罪)。

 発言に対し、沖縄戦の体験者…

共有
Exit mobile version