佐賀県警は16日、ふるさと納税の業務委託先の公募にからみ、秘密事項を業者に提供し現金10万円を受け取ったとして、大町町副課長の古賀壮(たけし)容疑者(60)=同町大町=を加重収賄の疑いで、会社役員の米原正彦容疑者(67)=江北町佐留志=を贈賄の疑いでそれぞれ逮捕し、発表した。県警は捜査に支障があるとして、2人の認否を明らかにしていない。
また、県警はこの日、町役場を家宅捜索した。
発表によると、古賀容疑者は町企画政策課長として2023年度のふるさと納税一括管理業務の委託業者選定の事務を統括した際、オフィスPDC代表取締役の米原容疑者に対し、公募型プロポーザル審査の「秘密事項」である他の参加業者が作った企画提案書を提供するなどし、米原容疑者から23年1月19日~2月2日ごろ、謝礼として町内で現金10万円を受け取った疑いがある。
県警によると、審査は22年11月14日に公告され、1、2次審査を経て米原容疑者の会社が選定された。同社はふるさと納税に関わるコンサルタント業務などを担い、事件当時は大町町内にあったが、その後唐津市に移転したという。
水川一哉町長は「町民や関係者の信頼を著しく失墜させる行為で、深くおわびします。捜査に協力し、詳細が把握でき次第厳正に処分します」とのコメントを出した。
ふるさと納税をめぐっては昨年、PR事業の委託先選定で、業者に他社の企画提案書などを提供した当時の神埼市長が、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害で有罪判決を受けている。