【宮崎】日向市立財光寺小の2年生約80人が10日、特産のかんきつ「へべす」のゼリーづくりに取り組んだ。市内の県立富島高校生活文化科の3年生12人が「先生」として調理を手助け。児童は楽しみながらご当地食材の由来を学び、味わった。
高校生が最初に机に出したのが、半分に切ったカボスとへべす。「違い、分かるかな~?」。児童は「うーん」と考え込む。果汁を搾ってなめて、「すっぱー」。あちこちから叫び声が上がった。
へべすは同市と周辺の「超ローカルかんきつ」だ。カボスやスダチに比べ種が少なくて皮が薄く、果汁が豊富。県によると、江戸時代末期に市の農家・平兵衛さんが山中で発見したかんきつが元祖。当時はかんきつが「酢みかん」と言われていたことから、発見者の名を取って「平兵衛酢(へべす)」と名付けられたという逸話が残る。ゼリー作りは、郷土の良さを知り、誇りにつなげる「ふるさと学習」の一環だ。
高校生の指示でお湯を沸かし、凝固剤と砂糖を溶かした児童たち。へべすの果汁を入れて泡立て器でちゃっちゃっ。カップにつぎ分け、氷で急冷。完成までに高校生がへべすの歴史を寸劇とクイズで教え、「ビタミンCが豊富。家でも作って」と呼びかけた。
試食した黒木蘭さん(7)は「おいしかった。お母さんと一緒に作った時とは甘みが違う」。富島高の寺町紗耶さん(17)は「反応が良くて楽しかった。へべすの魅力が伝わってほしい」と語った。(星乃勇介)