(13日、男子ゴルフ マスターズ・トーナメント)
プレーオフの激闘に終止符を打つ約1メートルのバーディーパットを沈めると、ロリー・マキロイ(英国)は号泣した。そしてグリーン上にうずくまり、拳をにぎって雄たけびを上げた。
「やっと重荷を背負って大会に来なくてもよくなる。喜んだというより、完全に安堵(あんど)した」
それほどにマスターズ制覇までの道のりは長く、苦しかった。
21歳だった2011年。4打差の首位で最終ラウンド(R)をスタートしたが、後半9ホールでスコアを七つ落として15位まで沈んだ。
その年、全米オープンでメジャーを初制覇。14年までに全米プロ、全英オープンも制した。
しかし、マスターズだけは7度もトップ10に名を連ねながら優勝に届かなかった。
20代前半で頭角を現したはずが、いつしか「勝負弱さ」が代名詞になってしまった。そんな35歳の歩みをパトロン(マスターズの観衆)たちは知っている。
コース内に携帯電話は持ち込めない。手差しのリーダーボードでマキロイのスコアが更新されるたび、聖地オーガスタのそこかしこで歓声が上がり、ため息が漏れた。
優勝を期待していたのは、メ…