杉本昌隆八段の棋道愛楽
「温故知新」。古いものから学び、新しい物事へ導くという意味です。古いものを知っている世代だと、それが再注目されるのは嬉しいもの。日々移り変わる現状を知っていればなおさらです。
昭和の時代の将棋なら「矢倉」がそれ。タイトル戦では毎回のように現れ、若手もベテランも選ぶ主流の囲いでした。しかし相手側に有力な対策が生み出された、または矢倉より優秀と思われる囲いや作戦が出現したなどの理由により、その数は年々減少。今では双方がそれをベースにした「相矢倉戦」は滅多に見られません。
AI分析により勝率が高いものとそうでないものに二極化されている現代、あえて主流でない作戦を選ぶ棋士は少ないのです。
まさか藤井名人が
しかし、歴史は繰り返されま…