廃校になった滋賀県甲賀市の小学校校舎で養殖しているバナメイエビ=アクアステージ提供

 海のない三重県伊賀市で、海のエビを養殖する取り組みが今春、始まった。ブランド名はこれからだが、伊賀米や伊賀牛とともに「伊賀エビ」として新たな特産品になる日も近いかもしれない。

 2021年に廃校になった旧玉滝小学校(伊賀市玉瀧)で、4月からバナメイエビ(クルマエビ科)の陸上養殖の準備が始まった。手がけるのが、滋賀県草津市の不動産コンサルティング「ウイルステージ」の子会社「アクアステージ」だ。

 ウイルステージは16年から、バクテリアによる水質浄化技術を生かし、人工海水を循環させる「完全閉鎖型」の陸上養殖の実証実験を始めた。

 陸上で養殖する場合、良好な水質を維持するには1日に1~2割の水を換える必要があるが、排泄(はいせつ)物や残ったえさなどから出る有害な窒素化合物をバクテリアがきれいにするため、排水を出さず、環境にも負荷をかけない。さらに寄生虫や病気の心配がないため抗生物質や薬剤を使わず、生食ができる、という。

世界遺産のあの池で使われた技術

 水質浄化技術はもともと、世…

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