「うちのりっちゃんが、きょう生まれて初めて、ほかのお子さんと一緒に遊べました」
看護師として働く牧本孝子さん(47)は、長男の律海(りつか)さん(4)がのびをして、口で「ぷっぷー」と喜びを表すのを見て、涙を浮かべた。
りっちゃんは「13トリソミー」と呼ばれる先天性の染色体異常で、人工呼吸器が手放せない。栄養は、鼻に入れた管からとっている。1型糖尿病も発症し、おなかにはインスリンを入れる管も血糖値を管理する小型デバイスもつけている。
お友だちが園庭を元気に走り回っていても、りっちゃんはひとりポツンと車いすだ。みんなの遊びの輪の中には、なかなか入っていけなかった。
そんなりっちゃんでもみんなと一緒に遊ぶことを可能にしたのが、「フレディ」という名前のブランコだ。
フレディは4日、京都市山科区の洛和会音羽病院アイセンターにある「なかよし広場」に設置された。
子どもも大人もお年寄りも、ひとりで座れない子も医療機器をつけている子も、誰もが一緒に楽しめる「インクルーシブ遊具」のひとつ。インクルーシブとは、誰一人として取り残さず、すべての人を包み込む、といった意味だ。
フレディを設計・製造した株式会社アネビー(東京)によると、名前は絵本「葉っぱのフレディ」からとったという。
「主人公のフレディがほかの葉っぱに支えられて成長するように、このブランコに一緒に乗ることでつながり、支え合うことを学んでほしいという願いを込めています」と大阪支社設計部の高橋亜希さん。
設置費用を調達しようと、洛和会は今回初めてクラウドファンディング(CF)に挑戦した。162人が賛同し、403万8千円が寄せられた。
クラウドファンディング挑戦のわけは
CFに挑戦したのには訳があ…