災害時に道路の寸断などで「孤立集落」になるおそれのある集落は全国で約2万カ所にのぼるといわれる。和歌山県白浜町の椿地区では、研究機関や地域住民、行政が一体となって「もしもの時」に備える取り組みが進められている。
- 和歌山が「道の駅大国」といわれるゆえん 数だけではない多機能ぶり
焼却灰や不燃ごみが埋め立てられていた白浜町椿の最終処分場。「スパイダー」と呼ばれる四輪多関節型作業機械が、急斜面を上り下りしたり、山の木を伐採したりしていた。
4輪がそれぞれ動き、通常の油圧ショベルでは難しい斜面や河川も、障害物を越えて移動できる。物をつかむ、切るといった作業が可能で、災害時に寸断された道路のがれきや倒木などを取り除き、通行できるようにするのにも役立つ。
その名の通りクモのように動くスパイダーの実演は、5月下旬、南海トラフ巨大地震に備えた「孤立集落サミット2024」で披露された。
住民の6割が65歳以上
スパイダーは国土交通省、都…