星野ルネさん=2024年3月21日、東京都江戸川区、浅倉拓也撮影
  • 写真・図版

 外国にルーツがある「日本代表」は珍しくなくなったが、見た目などで「違和感がある」といった声はいまだ消えない。「日本人」って誰なんだろう。そんな疑問を漫画で問いかける「アフリカ系関西人」の星野ルネさんに思いを聞いた。

  • 「ザ・日本人」強要してない? “純血”意識、ドイツはこう変わった マライ・メントラインさん
  • 「日本人」は定義できない 多数派が抱く「純ジャパ幻想」の抑圧性 福岡安則さん

 カメルーンに生まれ、幼い時に母が日本人研究者と結婚して、4歳になる直前から兵庫県姫路市で育ちました。弟や妹は日本国籍で、僕だけカメルーン国籍です。日本国籍を取るのは書類の用意などが面倒で。それだけ。特に意味はありません。なに人かと意識することもあまりなく、あえて言うなら「アフリカ系関西人」です。

 日本人はあまり「アジア系」って言わないけど、アフリカは連帯感がわりと強くて、「アフリカ人」という意識がある。関西人っていうのは、自分のベースにある思考や価値観です。苦労やつらい体験も、笑いに昇華させる文化がある。僕の経験を描いた「まんが アフリカ少年が日本で育った結果」も、自分がそうやって乗り越えてきた証しなんです。

 漫画で描くことはすべて実話です。アフリカ系というだけで、英語がしゃべれる、足が速い、と思われる。「小学校から高校まで日本です」と言っているのに、「新選組もわかるの? すごいわね~」って。見た目から来る先入観は、なかなか変わらないですね。

 でも、若い子はぜんぜん違う…

共有
Exit mobile version