高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の敷地内に活断層がある可能性が指摘されていることを受け、文部科学省は地盤調査を始めることを決めた。敷地内で試験研究用原子炉の新設を計画しており、2024年中としていた建設場所の決定を見送っていた。
試験研究炉は、政府が16年にもんじゅの廃炉を決める際に新設方針を決定。原子力分野の研究や人材育成の拠点と位置づけ、日本原子力研究開発機構(JAEA)が京都大や福井大、三菱重工業などと設計を進めている。概算費用は約1500億円で、国費でまかなう。
東京電力福島第一原発事故以降、商用炉を含めて初の原子炉新設となる見通しで、文科省はもんじゅ敷地内の3地点から建設場所を決め、原子力規制委員会に審査を申請する時期とあわせて24年中に発表すると説明してきた。
ところが国土地理院が公表した「活断層図」に、もんじゅの敷地を北東―南西方向に横切る長さ1キロの推定活断層が記された。敷地付近に断層の横ずれで生じる谷の屈曲や、断層活動で隆起した可能性がある崖が確認されたことから「確実な証拠は確認できない」としつつ、活断層の存在が推定されるとした。
規制委は11月、この推定活断層について議論。もんじゅの廃炉作業は、安全が確保されているとして追加的な調査は必要ないと判断した。
一方、文科省によると原子炉…