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琉球の脇真大(左)と宇都宮の小川敦也

 男子バスケットボール・Bリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)決勝(2戦先勝方式)が24日、横浜アリーナで開幕する。歴代最多となる3度目の頂点を狙う宇都宮(東地区1位)か、4季連続の決勝で2季ぶりの優勝をめざす琉球(西地区1位)か――。選手として日本代表で活躍し、現在は大学年代の日本代表を指揮する網野友雄さん(白鷗大ヘッドコーチ)に大一番のポイントを語ってもらった。

CS決勝の見どころ ダブルエースの宇都宮か、インサイドの琉球か

 宇都宮は、昨季に比べてアップテンポになりました。攻守の切り替えから早いタイミングで3点シュートを狙ったり、前方に長いパスを通して速攻を決めたり。ガードのニュービル、比江島という二つの「エンジン」があって、そこにジェレットら長身選手が絡んで攻撃を組み立てます。脇を固める竹内、遠藤、鵤らベテランの仕事ぶりも確かなものがあります。

 対する琉球の強みは、インサイドの厚み。クーリーやカークがゴール近くで優位性を作れるから、大崩れがない。

 バスケットの原理原則として、リングに近い方がシュートの成功確率はあがります。守る側にとって怖いのは、相手がリングに近づいてきて、球が渡り、なおかつそこで接触が起こること。琉球はそうやって相手に圧力をかけていきます。

 外角からはローが高い得点能力を発揮します。チームの攻撃リズムが良かろうと悪かろうと、無関係に点を取りきってしまうのが恐ろしい。

 勝敗を分けるのは、宇都宮のニュービルの出来です。琉球にとっては、彼を封じるのが勝利への絶対条件。ニュービルと比江島がいる宇都宮の方が、外角の起点が充実しています。調子が良い時は、2点シュートの試投数に迫るくらい3点シュートの試投数が増えてきます。そんな数字に注目するのも面白いと思います。

 それともう一つ。忘れていけないのは、琉球のベンチに佐々コーチがいること。昨季まで、宇都宮のヘッドコーチを務めた指導者。メンバーは当時とほぼ変わっておらず、チームの特徴はよく理解しているでしょう。琉球にとっては間違いなくプラスに働く。移籍先で迎える決勝の相手が古巣というのもドラマ性がありますよね。

日本バスケの将来を担う注目の「ヤングプレーヤー」2人

 私が大学生の指導に携わっていることもあり、決勝では若手に注目しています。

 琉球の脇は白鷗大の教え子で…

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