杉本昌隆八段の棋道愛楽
身近な食べ物や飲み物で昔を懐かしむことがあります。この時期、私はアイスコーヒーを好んでよく飲みますが、これを見る度に自分が10代半ばの頃を思い出すのです。
もう40年も前のことになりますが、師匠の板谷進九段が経営する将棋サロンの隣は喫茶店でした。夏休みの間、私はここに毎日通っていましたが、ときに師匠が弟子たちに飲み物をごちそうしてくれることがありました。
「関西では冷コーというらしいね」。師匠がそんな話をしてくれて、配達されたアイスコーヒーを皆で飲む。厳しい勝負の合間のちょっとした息抜きの時間でした。
その喫茶店の冷たい飲み物は、中の氷が細かいクラッシュアイスのタイプ。コーヒーミルクも小分けでなく、大きな容器に入っていたのも時代でしょうか。
子どもらしく少し多めにミル…