あぶらとり紙で知られる「よーじやグループ」(京都市下京区)は26日、手鏡に映るおちょぼ口の「よじこ」が描かれたロゴマークを60年ぶりに刷新すると発表した。新しいロゴに、よじこの姿はない。いったいなぜ――。
「あぶらとり紙を思い起こさせるロゴマークを使い続けることに、実はずっと、限界を感じてきました」と社長の國枝昂さん(35)。
同社によると、よーじやの前身「國枝商店」は1904年に創業した。初代は、当時「楊枝(ようじ)」と呼ばれた歯ブラシの商いに力を入れ、それが屋号になった。
その頃から、あぶらとり紙を売っていたが、京みやげの定番になったのは1990年代初め。市原悦子さん主演のテレビドラマがきっかけだった。
しかし、ブームは続かない。90年代後半に売り上げの8割を占めていたあぶらとり紙は次第に売れなくなり、今では1割だという。
國枝さんは2019年に家業を継いだ。コロナ禍が始まり、京都の街から観光客が消えた。売り上げは9割減に。「よーじやは京都の人に愛されていない」と思い知らされたという。
「脱・観光依存」を掲げて…