Smiley face
りそなホールディングスの南昌宏社長=東京都江東区

 りそなホールディングス(HD)の南昌宏社長は2029年度末までに、取引先との関係維持を目的に持つ「政策保有株」の3分の2にあたる約1800億円を売却する方針を明らかにした。売却益は、よりリスクを取った貸し出しなどに充てる考えだ。

 朝日新聞のインタビューに答えた。りそなHDの政策保有株は03年に約1.4兆円あったが、同年に公的資金が注入されて以降、削減を進めてきた。政策保有株は保有される企業の経営の緊張感を弱め、保有する企業の資本効率を低下させているといった批判があり、銀行や保険業界で削減の動きが進む。

 現状の残高は約2600億円で、29年度末には800億円まで減らす計画だ。03年と比べて9割超も減ることになる。南氏は売却のペースを速めたと明かし、「時代の変化が激しいなか、新しい価値を提供していくために政策保有株の売却で対応力を高める」と語った。

「金利のある世界」へ対応力を強化

 大きな変化の一つは銀行収益…

共有