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 「ジェンダー平等先進国」として知られるアイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領を招いたトークイベント「アイスランド大統領と考える ジェンダー平等のつくりかた」(朝日新聞社、津田塾大学、アイスランド大使館共催)が5月31日、津田塾大千駄ケ谷キャンパス(東京都渋谷区)で開催され、大統領が、超党派でつくる「クオータ制実現に向けての勉強会」の女性国会議員や大学生らと、女性の政治進出や、ジェンダー平等が社会に何をもたらすかなどについて意見を交わしました。

【動画】来日したアイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領がジェンダー問題をテーマに学生らと討論

 第1部の大統領のスピーチと、学生らと議論した第2部の様子は、後日配信します。申し込みは(https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11016584)から。イベント参加者の感想の一部を紹介します。

「彼女らの世代に恥ずかしくないように」

●大統領と市長の熱意がとてもよく伝わってきた。力強いながらも決して押しつけるのではなく、ポジティブな気持ちになった。帰宅してから高校2年の娘と会話しました。ジェンダー平等について彼女なりにしっかり意見を持っていて、頼もしく感じました。彼女らの世代に恥ずかしくないように自分も行動していきます。(神奈川県 50代男性)

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津田塾大生らとのトークセッションに臨むアイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領(奥右から3人目)と首都レイキャビク市のヘイザ・ビョルグ・ヒルミスドッティル市長(同4人目)=2025年5月31日、東京都渋谷区、井手さゆり撮影

●大統領のお話を直接うかがえたことは大変貴重でした。実直なお人柄がよくわかりました。彼女が出ていた英BBCのドキュメンタリーを見たことがあり、その時も国や社会に対してちゃんとビジョンがあるな、そのビジョンを国民と共有できているんだなと感じました。残念ながら日本のDEI(多様性、公平性、包摂性)はアイスランドと比べて40年遅れているなと再確認させられましたが、超党派の女性議員の方々が、危機感・共通認識を持たれていることに勇気づけられました。(東京都 50代女性)

「当たり前」を疑う勇気もらった

●自分の中の当たり前をまずは疑っていく勇気をいただきました。友人夫婦の9割が共働きで、家事育児は女性が負担しています。世の中が当たり前に受け入れていることが、実は異常な事態だということを痛感しました。(茨城県 30代女性)

●大統領の発言は派手さはないが、実質的で説得力があった。「政策ではなく原則」「対話重視」など、参考になる発言が多々あった。第2部は、考え方がまだ固定せず視野の柔軟性が高い、学生が中心の質疑であり、朝日新聞の川西記者の適切なコントロールもあって聴いていて楽しかった。(東京都 70歳以上男性)

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津田塾大生らとのトークセッションに臨むアイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領(右)と、首都レイキャビク市のヘイザ・ビョルグ・ヒルミスドッティル市長=2025年5月31日、東京都渋谷区、井手さゆり撮影

●女性は男性のようになる必要はなく、ありのままの姿で活躍できるというメッセージが印象的でした。第2部は若者のリアルな質問もあり、とても興味深く面白かったです。(千葉県 20代女性)

「女性が変わる必要はない」

●気づきの多い時間だった。特にわたしの心に刺さったワードは、「日本の政界はまだまだステレオタイプな価値観が強くて」と嘆く福島瑞穂議員に、「女性が変わる必要はない(男性化する必要はない)。謙虚で知ったかぶりをしないことは女性の資産。その資産を発揮することで、新しいリーダーシップを築くことが出来るはず」という言葉。本当に腹落ちする言葉だった。ジェンダー平等は女性だけの問題ではなく、男性にとっても価値があるもの。男性に押し付けられてきたものを変えていくための革命なのだ、と。そのためにわたしたちが出来ることは身近な人と対話すること。うん、それならわたしにも出来るかもしれない。今日から実践していこう、競争ではなく、知恵を出しあって課題解決をしていくために。(神奈川県 50代女性)

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女性国会議員たちとの討論で発言するアイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領(奥中央)=2025年5月31日、東京都渋谷区、井手さゆり撮影

●大統領の温かい人柄、力強くしなやかな言葉は、30年以上企業で働き、子育てをして家庭を維持してきた自分の人生を優しく励ましていただいた気がします。女性たちが旧態依然とした価値観に合わせる、いい子になるのではなく、声を上げ、ありのまま、謙虚に対話を続けることが、ジェンダーだけにとどまらない、サステイナブルな未来へと導く鍵だと確信しました。(神奈川県 50代女性)

●大統領から連帯とエンパワーメントの言葉をたくさんもらい、励まされた。(東京都 50代女性)

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