栄養応援アイスを製品化した杉村佳南さん=2025年3月3日午後0時32分、広島市西区、副島英樹撮影

 これはアイスの「革命」かもしれない。

 患者さんやお年寄りのために、食べるのが楽しみになるおいしい栄養補助食品を――。そんな若い社員のゼロからの挑戦が実を結びつつある。

 広島市西区の医療総合商社「ティーエスアルフレッサ」。杉村佳南さん(30)は大卒で入社して以降、病院や高齢者施設を営業で回り、ゼリーやドリンクなどの栄養補助食品を紹介してきた。

 「ゼリーは甘すぎる」「味の種類が増えても、毎日はきつい」「アイスが食べたい」……。夏場に食欲が落ちる高齢者からそんな声を聞いた。

 国立長寿医療研究センターなどの調査では、在宅療養患者の約8割が「低栄養」や「低栄養の恐れあり」とされ、病院でも低栄養の高齢者が4割近くを占める。

 県立広島大で栄養学を学び、管理栄養士と栄養経営士の資格を持つ杉村さん。2年前に思い切って職場のミーティングで提案した。

 「アイスで新しい栄養補助食品を提供できないでしょうか?」

最後までおいしそうに食べた祖父

 その場で背中を押してくれた…

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