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子どもが犯罪に巻き込まれたSNS

 昨年1年間にオンラインゲームをきっかけに犯罪に巻き込まれた18歳未満の子どもは、前年比9人増の98人だった。近年は100人前後で推移しており、高止まりしている。警察庁が13日に発表した。

 今年は高校生がオンラインゲームで知り合った男に誘われ、海外に渡って詐欺に加担させられる事件も起きた。被害は性犯罪が目立つといい、警察庁は、安易に個人情報を投稿したり、知り合った人に伝えたりしないよう呼びかけている。

 オンラインゲームがきっかけで犯罪に巻き込まれた子どもは、統計を取り始めた2019年に65人、22年には107人にのぼった。SNSがきっかけの子どもの犯罪被害のうち、オンラインゲームが占める割合は19年の3.1%から徐々に高くなり、昨年は過去最高の6.6%だった。

荒野行動、WePlay、フォートナイト、第五人格

 昨年のオンラインゲームがきっかけの被害者98人を犯罪の種類別に見ると、児童ポルノ35人、不同意性交等23人、不同意わいせつ14人の順で多かった。被害者は中学生が56人で半数超を占め、小学生が22人だった。

 利用が多かったゲームは「荒野行動」27人、「WePlay」23人、「フォートナイト」11人、「第五人格」9人など。オンラインゲームの多くには、音声でやり取りするボイスチャット機能やメッセージ機能があり、その後、相手とのやり取りがSNSに移行する。協力してゲームをすることで見知らぬ相手に仲間意識を抱いたり、相手が持つ高価なアイテムにつられて言うことを聞いたりする特徴があるという。

 警察庁は「子どもがどんなゲームをして、誰とやりとりをしているのか、保護者は関心を持ってほしい」と注意喚起する。利用時間の制限などを設定できる「ペアレンタルコントロール機能」などの利用が有効という。

 ミャンマーの犯罪拠点で多数の外国人が詐欺に加担させられていた問題では、宮城県の高校生がオンラインゲームをきっかけに闇バイトに応募し、今年1月に現地へ渡航していた。捜査関係者によると、高校生はオンラインゲームで知り合った日本人の男から「むこうに行くと良い仕事がある」などと誘われ、詐欺の拠点のホテルで電話をかけてだます「かけ子」をさせられたという。

 SNS全体でみると、犯罪のきっかけとなったのは、インスタグラムが最多の461人、X(旧ツイッター)が398人だった。

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