本間貞樹・北海道アイスホッケー連盟理事=2025年1月22日午後4時2分、北海道苫小牧市若草町2丁目、松本英仁撮影

 アイスホッケー(IH)女子日本代表「スマイルジャパン」が、2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪への出場権をかけ、2月6日から4カ国総当たりによる最終予選に臨む。

 開催地の北海道苫小牧市は、古くから競技が盛んで日本リーグに市内から2チームが参戦した時期もある。リーグ発足の1966年に全国に先駆けて「スポーツ都市」を宣言したが、少子化などによる競技人口減少の危機に瀕している。日本リーグの強豪王子製紙でFWとして活躍した本間貞樹さん(71)=北海道IH連盟理事=は、最終予選の結果が今後の若手育成への岐路になると見ている。

 ――札幌冬季五輪の直後の王子製紙入社でした

 IHへの注目度は高かったですね。競技として認知されたのはやはり五輪が大きかった。入社当時は、市内にライバルチームだった岩倉組(当時、のちの雪印)があって、市中心部の橋を境に関係会社の社屋や社宅がきちんと分かれていて、先輩から「うかつに橋の向こうに行くな」と注意されました。試合を重ねるごとに顔と名前が知られ、見知らぬ人から声をかけられる機会が増えました。

 6チーム制のリーグは王子のほか、道内には岩倉組、十条製紙(のちの日本製紙)があって事実上、北海道がIH界をリードしていました。

 ――アジアリーグや現在の日本代表の戦いぶりをどう見ていますか

 個人の技術やチームの戦術は当然、上がっています。私たちの時代はFWもDFもある意味専業でしたが、いまは全員で守って攻める。バランスのとれた有能な選手がほとんどです。試合中も音楽で盛り上げたり、選手が試合後にファンサービスに応じたり。私たちのころは企業や郷土の誇りをかけた勝利至上主義といいますか、ファンサービスまでの余裕はなかったですね。全体的なファンの熱量は昔とそう変わらない。各チームの努力のおかげで、女性や若い世代など新しいファンは確実かつ着実に拡大中です。ただ、道内のチームが王子の流れをくむレッドイーグルス北海道だけになったのは寂しく、残念な限りです。

 各国の代表チームやアジアリーグを見てもどこもレベルが上がり、かつてのような一方的な試合展開は皆無になった。GKの技術やスタイルの向上がめざましく、日本代表も戦術などが格段にレベルアップしたが、それ以上にライバル国も上達している。男子代表が五輪最終予選を突破できない理由の一つです。

 ――本間さんは中学まで野球とIHの部活動を掛け持ちしたそうですね

 野球では捕手でしたが、当時…

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